初めまして 雨

雨の日は憂鬱、と思う人は多いのではないだろうか

というのも 今日仕事前の準備で忙しい時間にふと ブログを始めたいと思ったわけだけども

如何せん仕事前であってのんびり構成を練ることも出来ず  仕事中は仕事で手一杯で

やっと落ち着いた今 さてまずアプリを入れようかというところから始めて 新規作成まで来たところなのだが

仕事帰りの帰り道 久々の雨に強い風で台風のように煽られ すっかりやる気が失せてしまった

雨の日は憂鬱というのは  やる気のなさを雨に責任転嫁しただけのものなのかもしれないけれど いつもは必要のない荷物、傘が増え

片手は傘に埋まり 普段はだらりと力なく下げておいていい腕をしっかり上げて 風に煽られる傘を持たねば 頭を濡らさず外を歩くことが出来ない 傘とはなんてうっとういい存在か

しかもそれだけのことをしても 傘が守れるのはたかが頭だけである 上着は濡れ 足はもはや言うまでもない

ブログを書こうと思った時はこんな鬱々と雨をなじる予定はなかったのだが

 

ただ雨の日にしか見えない景色もある

雨の匂いは小さい頃から好きだ

雨が降る前と 雨が上がった後の独特のあの匂い

実際は雨と言うより土が濡れた匂いなのかもしれないけれど

 

外を歩いている時 ふと匂う「あ、雨が降る」という瞬間は 頬が緩むのを止められない

ちょっと重たいその空気を肺いっぱいに吸い込んで 幼い頃祖母の畑で走り回った思い出に浸る

普段履くことのない長靴を履き いつもの道にはない鏡たちを覗き込み 雨が落ちたところから放射状に広がる歪みを数え

土の地面はいつもとは違う感触で 泥はねなんて気にせず足踏みをし飛びはねていたあの頃

雨上がりの匂いでは  顔にシワを寄せて えぇ〜とはぶてるくらい

今はこんなにも憂鬱な雨があの頃はとても楽しみだった

 

いつから雨が憂鬱と思うようになったのだろうか

ふと思ったのは 手荷物

幼い頃は 荷物なんて何も持たずに

体ひとつで走り回っていたものだったが

大きくなるにつれて出かけるのに荷物が必要になった

携帯、ICカード、鍵、ティッシュにハンカチ、お財布……ちょっとそこまで出かけるのにポケットだけでは足りなくなって

ポシェットを持つようになり それがいつしか肩掛けカバンになった

手に持つカバンを好まないのは 両手を広げて自由に遊んでいたあの頃の名残なのかもしれない

荷物があると 雨に濡れないように気をつけなければならないし

濡れて欲しくないものも増えた

いくら防水といえど 携帯やスマホが濡れるのはやはり不安なものだし 鞄の中身に濡れていいものなどない

学校のカバンの時は 大雨に降られるとノートの端が濡れてはバサバサと広がりため息をついたものだ

大切な紙が濡れた時には 丁寧に伸ばして新聞の間に入れ辞書に挟んで乾くのを待ったが

やはり1度濡れた紙というものは 元には戻らないということを知った

更に  手荷物に加えて傘も持たねばとなると

手も塞がり その分憂鬱になるのは仕方ないのかもしれない

 

今度休みの日に雨が降ったなら

手荷物を何も持たずに傘だけさして近くを散歩してみようか

普段は前ばかり見て歩く道の 側溝に流れゆく水や 濡れた植物、傘の隙間から見える景色や いつもと違う車の音を体ひとつで感じてみれば あの頃の楽しかった気持ちをもう一度味わうことが出来るのかもしれない