ものづくりへの欲求

制作体験がしたい

 

陶芸とかガラスとかキャンドルとか飴細工とか……探せばきっとたくさんあるのだろうけど いざ行こうと思うとなかなか腰が重い 端的に言うとどこも遠いのだ 金額もある

比較的安価かつ身近で体験できる食べ物系の制作でもいいのだが やはり形に残るものがより魅力的に感じる

自分には才や豊かな感性がないのは分かっているのだけれど何かひとつ最初から最後の行程までやりきるその達成感がいいのかもしれない  制作体験の文字を見ると食いついてしまう

 

やりたいやりたいとは言ってるが つい最近同行者と共にトルコモザイクランプの制作体験ができるお店に行ってきたばかり

選んだのはキャンドルホルダーで トルコモザイクランプでは無いのだが ガラスのチップを好きな柄に貼り付けて制作する3時間くらいのコース

机に置かれた紙にはメインとなる大きなデザインと 小さなデザインの見本が書かれていた

その上にチップを置けば同じデザインが出来、自分で配置を決めて制作できる

私みたいな 自分でなにかデザインを生み出すのが苦手な人用なのだろう

特に理由はないのだが私はせっかくの制作体験でも 何となく例のように作るところがある

もしかしたら例のことをお手本のように捉えてるのかもしれない

私が作ったのはそれこそお手本のような 例に使われそうな特に個性も何も無いものになった

だが一緒に行った彼は違って どこまでも独創的だった

そもそも紙に置いたデザイン通りにキャンドルに貼り付けないのだ

さっきまでのデザインはなんだったのか と手直しをしてしまって ふと これは彼の作品だから私の価値観を押し付けるのは間違っていると気づいて手を出すのを辞めた

デザインが左右対称であるかとか 同じ間隔ではめるとか そういうこだわりが全くない彼の作品は あぁこれは本当に手作りなんだなという温かみのあるもので

そういう枠組みに囚われない自由な発想や行動がとても羨ましく感じた

ただ自分の作品ももちろん気に入っている

手作りしたの?というようなありふれたものではあるけれど自分が好きな柄で好きな色でところどころに拘りが沢山詰まったものだから

 

地元に 吹きガラスやステンドグラス、マドラーにとんぼ玉などが制作できる ガラスの里があった

昔1度行ったっきりの場所だが 今でもよく覚えている

車でしか行けないような辺境地にあって 他のところへ行く途中でなんとなく寄った、程度だったがとても魅力溢れる里で 時間が全然足りず制作体験など何も出来ないまま帰った

いつか行きたいと思うもなにせ交通手段が車のみであるからして なかなか行けないうちにもう行くことは出来なくなってしまった

ガラスの制作体験に拘っているのは あの里に行くことが出来ないまま 後悔を引き摺っているからかもしれない